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フォーラムレポート

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大きな転換期を迎える英語教育と授業改善の基本(0325)

3月期 第133回フォーラムレポート

学年末も終盤を迎えた3月25日(日)、e-pros主催第134回「英語指導法研修会」が、JR上野駅入谷口改札前の岩倉高等学校東館3階の視聴覚室で開催されました。講師はお馴染みの畑中豊先生(福島県双葉中学校教諭)と長勝彦先生(英語教育センター常任審議委員・語研参与)です。

折から小・中・高等学校の学習指導要領の改定案が公表されて、わが国の教育は次期学習指導要領に添ってベクトルは動き出しています。e-prosの事務局にも、ベテランの教師による、「新学習指導に添った参考となる授業」を実演して欲しい、「アクティブ・ラーニングを取り入れた授業」「「小中連携の英語授業」など、かなり具体的なテーマのもとに、研修会の開催を希望する声が寄せられています。

そこで3月期(通算第133回)e-pros研修会は、「大きな転換期を迎える 英語教育と授業改善の基本」を総合テーマに開催されました。午前の部でご指導頂いた畑中豊先生は、研修テーマを「英語指導の小・中学校連携と具体的指導法の考察」として、小学校、中学校の工夫された授業の実際を紹介してくださいました。畑中先生自身が工夫し、制作されたコンピュータソフトや様々な小道具とともに、生徒が関心を持ち、興味が湧くように工夫・開発された授業形式は、あっという間の2時間でした。講座が終わった後も畑中先生の周りをとり囲んで質問攻めにする聴講者は多く、熱心亜研修会が繰り広げました。先生からは研修会に参加された先生方の希望者に、畑中先生の実際に使うアクティビティのDVDがプレゼントされました。

 次期学習指導要領が告示されて、教育の第一線に立つ現場の先生方も、授業改善への具体的な取組みが積極的に議論されるようになりました。これからは、各学校が「資質・能力を育む授業づくり」を構想し、努力して、如何に成果を挙げることが出来るかという課題を持って行動するのです。そしてその成果は、一人ひとりの教師の双肩にかかっているのです。まさに午後からのご指導を担当された長勝彦先生(元墨田区立両国中教諭・武蔵野大学教授)が30~40年前、都中英研研究部部長時代、研究部の先生達による授業改善そのものが、今日の通常の授業にも求められるということです。

 長先生の授業改善で、生徒が活き活きと授業に乗ってくる具体的なケースは、若い時代に長先生の研究授業を見たあの、北原先生の印象記「衝撃の授業」でも良く知られています。『あお授業が本当の授業だとしたら、自分の授業なんて詐欺だ』と慨嘆させた授業。3月25日の講座では、長先生の現役時代の授業が映像で映し出され、現在でも新鮮なイメージで蘇りました。

 アクティブ・ラーニング、主体的・対話的で深い学びや思考力・判断力・表現力などが一人歩きする傾向がありますが、肝心な授業の中にそれらが組み込まれる『授業力』が、いまだに成熟しないきらいがあります。関連の本が何種類も刊行されています。それに加えて研修会やフォーラムなどに参加して、授業改善体験者の体験の実際を聴講することが、これらを理解する近道であることを感じます。

現在、文科省主催の全国学力調査や大学入学共通テストの導入など、日本の教育界は大きな転換期にあることは間違いなく、今後、研修会等に参加して学習しようとする現役教師の学習意欲は、具体的に一層盛んになることが予想されます
 3月26日、大学入試センターは平成32年度から実施する「大学入学共通テスト」の、英語で活用する民間試験について、英検(新方式)など予め決められた要件を満たした7事業23試験を認定したと発表しました。これら新しい教育評価の動きが激しくなると、現場教師の意識や行動もより顕著になると考えられます。そのような動きが顕著になるとe-prosフォーラムなど、教育の転換期に合わせた研修会への参加者も益々増大することが考えられます。

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