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フォーラムレポート

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良い指導法は真似しよう!-真似し合うことは学び合うこと

良い指導法は真似しよう!-真似し合うことは学び合うこと

 日本列島に雨の季節が近づいてまいります。学校も一学期の半ばを迎え、新学習指導要領の移行措置に真剣に対応することとなり、教育現場には小・中・高校共に新しい英語教育モードが高まって、先生方は英語教育への具体的関心を強くしております。

 この時を受けてNPO法人教育情報プロジェクト(e-pros)は5月20日(日)、「良い指導法は真似しよう!- 真似し合うことは学び合うこと」のテーマの元に、いつもの東京都台東区上野 岩倉高等学校視聴覚室において、英語指導法研修会を開催しました。当日は全国各地から50名もの英語教師が参加して、下記の内容の、熱っぽく有意義な研修会を展開しました。

    (1)  鈴木  悟先生(東京都立両国高等学校附属中学校 教師)
    講座題 ⇒ 教科書を用いて 4技能の伸長を計る実践授業

「まとまった英文を書けるようにするぬは」「英語で言いたいことを言えるようにするには」「英語で『やりとり』『発表』をどうすれば良いか」「教科書の本文(まとまりのある英文)を訳読しないで教えるにはどうしたらよいか」などを、教科書を使って、生徒が主体的に学びながら4技能を伸ばす授業の実践方法を提案。SMALL TALK(やりとり)、教科書本文のゴール設定(発表)を高1の1学期の題材を使っての紹介m。中高連携にも触れ、中学を卒業した生徒の入り口の授業を体験。

     (2) 北原 延晃先生(赤坂中学校主任教諭、上智大学非常勤講師)
    講座題 ⇒ 「北原メソッドの基本②  北原メソッド授業Aパターン

 必ず1年生Lesson1に戻る文法の導入(変形生成文法)と、Basic Dialog そのまんまスキット。
東京都港区立赤坂中学校は、英検準2級の取得率が高い(生徒の3~4人に一人が取得)ことで知られているが、本校英語教師が誇りに思うのは、英語の苦手としていた生徒が高校で開花している事実である。10年に1度、高校生になった教え子に中学英語が高校でどう生きているかを追跡調査している。前回の調査結果から生徒の声を拾ってみる。いずれも中学3年生2学期評定が2以下の生徒である。
「いつもクラスで英語はトップ」「英1とOCのお蔭でクラス内順位5位」
「最初のテストで3位だった」「英語のクラスが一番上になった」
「5段階評価でも5」「期末テストで学年7位だった」
    彼らの開花の秘訣の一つは、「1年生1学期に戻る文法指導」である。

20日のフォーラムは充実した内容でした。北原先生は全国的によく知られた先生ですから、上手に講義して当たり前、聴講者を感服させて当然といった風に取られますが、鈴木先生は新進の「情熱的な先生」ということで、この度は風邪で欠席していらっしゃった長 勝彦先生による推薦の鈴木先生です。ムンバイ(インド)日本人学校に赴任されていたころ、長先生ご夫妻のニューデリー(インド)で開催した日本文化の個展開会式にはお花を贈るとともに、会場に駆け付けたという感動したお話は関係者間では有名。将来、都立両国高校・附属中学校を背負って立つ情熱と力量を持ち合わせた鈴木悟先生です。

「聴講者の声」の中でも、「東京都の英語劇で、あの北原先生を負かした鈴木先生のお話を、とても楽しみに参加した」と書いた先生もいました。鈴木先生(120分)、北原先生(150分)共に、時間が足りなかったとの感想を述べていらっしゃったほど熱を帯びた研修会でした。聴講者の先生からアンコールの声もあり、出来るだけ早い時期にフォーラムを企画したいと思います。

6月期e-prosフォーラムは6月24日(日)、2004年度のパーマー賞受賞者で、特に女性の英語教師に憧れと絶対の人気のある久保野りえ先生。昨年10月期e-prosフォーラムで、「英語の授業は英語で ― 授業を活性化して大きな成果を挙げるこつ」のタイトルでご指導くださった語研理事で成蹊学園中・高校教諭の四方雅之先生のお二人の先生に、授業改善のカリスマとして、また英語によるビンゴの発案者として知られる長勝彦先生にご指導をいただきます。(大釜)

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