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フォーラムレポート

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英語教育東京フォーラム(2008.07.25)

岩手・青森の大地震被災地のみなさまにお見舞い申しあげます。
       大釜 茂璋

 暑苦しい夜、やっと寝付いたかと思った頃ぐらぐらっと来た昨夜の地震。
それが結構長い時間揺れていて、震源地は千葉か茨城あたりかと思ってテレビを入れると、東北地方にまたも大地震発生と報じていました。

 一難さってまた一難。地震の周期がここ数年間に集中しているという人もいますが、前回の大地震に続いて岩手県、そして青森県など被災したそれぞれの県の方々には心からお見舞いを申し上げます。

 天災は忘れたころにやってくる、と警鐘を鳴らしたのは寺田寅彦ですが、こう連続して大地震に見舞われると、おちおち気も休まりません。何があっても動じないように、常日ごろからの心の準備、いざというときの支えは何かを心に画き、そのときになって慌てても仕方がないという反面教師でもありました。

 そんなことを考えていると、ふと思い出したことがありました。教師自らの体調が悪かったり、何らかの原因で生徒が授業に乗らないようなときなど、教室の雰囲気が散漫になって授業にならないときってありますよねと、話しかけてきた若い教師のことです。

 気温とか、風向きが悪いとか、そんなことしか考えられないような意味不明の原因で、教室がざわついていることがあります。そんなときはどうしたらいいんでしょう?というのです。この話をたまたま近くにいたベテランの教師に尋ねてみると、こんなアドバイスが返ってきました。

 自分が本当に得意とする指導のテクニックを身につけるといいですよ。
それはリーディングの得意な人ならば、しみじみと感情を込めて詩を読んでやるとか、音楽の活用が得意ならばちょっと音楽を取り入れてみるとか、ビンゴやゲームをやってみるとか。それも長い時間ではなく、教室が落ち着くまでの2~3分。それだけにいざというときのテクニックとして、いろいろなケースを想定し、常に心がけることが大事です、とのことでした。訓練を怠るなということでした。

 そのベテラン教師は、そのようなとき私ならば「間」を大事にしますと話してくれました。教室に落ち着きがなく、なんとなくざわつく中で教師が声を張り上げても、それはざわつきを増長させるようなものです。そんなときの空気を静めるには、「間」が大事なんです。教室全体の空気の流れに「間」を作るとでもいうことでしょうか。私は月に一度ぐらい寄席に通っては落語を聴き、落語家の話術を通して「間」の取り方を勉強していますと話していました。

 ちょっとした工夫、気遣いが教室の雰囲気をがらりと変えることがあるの
です。やはりベテラン教師のひとことには金言が潜んでいると思いました。

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