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フォーラムレポート

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英語教育東京フォーラム(2012.9.13)

学習到達目標の設定
「CAN?DOリスト」の形式
 文科省の検討会が初会議                           
     
 文科省の外国語教育における「CAN-DOリスト」の形での、学習目標設定に関する検討会(座長 吉田研作上智大教授)の初会議が、8月28日に開催されました。

 「CAN-DOリスト」の形とは、英語を使って「~ができる」という能力記述の形式を指します。学習指導要領では、「~ができる」のほかに、「~がわかる」「~すること」「~を育てる」といった表記もあります。これらを、英語を使っての能力の記述形式にして、到達目標とします。

 同検討会では今後、
(1)中学・高校で学習到達目標を「CAN-DOリスト」の形で設定する際の手引きの作成
(2)国として、学習到達目標を「CAN-DOリスト」の形で設定することについて
以上の2点について検討していきます。

(1)については、「同リスト作成に当って盛り込むべき項目、例えば、目的、活用方法、作成手順などの選定」「活用方法」「学期ごと・学年ごとの設定期間」「到達目標の具体性」「教科書の内容との関係」

(2)については、「『CAN-DOリスト』の形で設定する学習到達目標に盛り込むべき内容」「他教科における学習到達目標の設定との関係」など。

 この日は、同検討会委員の投野由起夫東京外語大大学院教授から、「ヨーロッパ言語共通参照枠」(CEFR)等に基いて日本向けに開発した「CEFR?J」の「CAN-DOリスト」について飼料が提出されました。このほかの委員やオブザーバーとなった(公財)日本英語検定協会、(株)ベネッセコーポレーションからも、「CAN-DOリスト」関連の資料が提出されました。

 文部省の外国語能力の向上に関する検討会が、平成23年7月にまとめた「国際共通語としての英語力向上のための5つの提言と具体的施策」では、生徒に求められる英語力について、その達成状況を把握・検討することが打ち出されています。

 このまとめでは、中学・高校で、各学校が学習指導要領に基いて生徒に求められる英語力を達成するための学習到達目標を「CAN-DOリスト」として具体的に設定することで、指導方法や評価方法の工夫・改善が容易になると指摘。

 また各学校が学習指導要領の目標を、地域の実態や生徒の能力に応じて具体的な目標に設定し直すことで、全ての子どもたちの英語力水準を向上させ、グローバル社会に通用するより高度な英語力の習得を目指すことも可能にしました。

 その具体化に向けて求められた施策は次の通り。
○国は諸外国の取り組みも参考に、学習到達目標を「CAN-DOリスト」の形での設定に向けて検討する
○中学・高校は、学習到達目標を「CAN-DOリスト」の形で設定・公表するとともに、その達成状況を把握する
○国や教育委員会は、各学校が学習到達目標を設定・活用する際の情報提供など必要な支援を行う(「教育新聞」平成24年9月6日号より)

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