もっと身近に誰にでも!

フォーラムレポート

一覧へ戻る

金谷憲先生、山本崇彦先生による「これからの英語教育と指導法」(0819)

三浦邦彦教授(島根県立大)が発表した、都英研 研究部の事業公開から足立三中の映像を資料に

長勝彦先生の指導解説で感動的に蘇る

 9月15日に開催された、通算第102回e-prosフォーラムは、「長勝彦先生に、活力ある授業の構築法を学ぶ特別勉強会」でした。講座タイトルは「島根県立大学三浦邦彦教授の、東京都公立中学校時代の授業(映像)から得られるヒント」として、長勝彦先生の指導解説が加わってとても理解しやすく、聴講する人がそれぞれの指導環境に合わせて活用できる内容となっているものでした。

 三浦邦彦先生は大学卒業後、東京は下町の吾妻三中、足立三中等を経て東大付属中高校で教鞭を執り、この間東大でも英語教育法の講座を持っています。

 三浦先生は東京都中学校英語教育研究会(都中英研)研究部でも活躍され、長勝彦先生の「BIG OSA」に対し「OSA JUNIOR」と呼ばれるほど英語教育に対する情熱は高く評価されていました。

 今回資料として映し出した映像は、三浦先生が足立三中に勤務していた1994年の、都中英研の事業公開で公開された授業です。今回の勉強会で指導解説するためにこの映像を見た長先生は、とっても懐かしい映像ではあったが、内容は決して古くなっているものではなかった。三浦先生のこの授業には、現在でも大いに参考になる要素が含まれていて、ここからまた新しい授業が生み出される、まさにお宝の授業だったと話していました。

 8月期のe-prosフォーラムでご指導頂いた、都立両国高校附属中学校の山本崇雄先生は、教職に就いてまだ数年と言う時に三浦先生のこの授業を参観したと話していました。
三浦先生の勤務するこの学校もご多分に漏れず当時かなり荒れていて、授業が始まっても着席しない生徒や廊下や教室で寝転がっている生徒もいるような状態だったようです。

 ところが三浦先生の授業は、生徒全員がきちんと着席して教師を待ち、特に三浦先生の授業は大部分が英語を使った授業だったというのに、全員が一生懸命聞き取ろうと努力し、アクティビティーには真剣に参加するなど、見違えるほどの状態だったと言うのです。全員によるreadingは競って大きな声で読み、それらの姿は感動的だったと話してくださいました。
三浦先生の授業から、この生徒たちは何を感じ、何を学び取ってあのような前向きの姿を見せたのだろうかと。

 今回は約20年前の、三浦邦彦先生にの授業を資料にした研修会でしたが、長先生の指導解説が加わったことで、現在の授業にも十分活用できる、きわめて充実した素晴らしい研修会でした。

 長先生の解説、指導とともに、それに交わる数々のエピソードもじつに適切で、このフォーラムに参加した先生方は大変恵まれたことでした。6月期勉強会の日臺先生の映像でもそうでしたが、単なる影絵を見る感覚で勉強会に参加した人もいたようでした。しかしそこに長先生の解説・指導が加わることで、映像の授業がぐんと身近に感じられるようになり、自分にも何となく出来そうな気がするという感覚になるようです。

 今はすぐには出来ないけれども、いつかは自分のこういう授業をやれるようになる、という感覚を持って貰うだけでもこの勉強会を開催し、また参加する意義は大いにあります。その意味からも先生の発案で始めたこの勉強会はきわめて画期的で、大いに意義あるものです。

 来年2月の勉強会は北原延晃先生の映像となっております。これは来年2月の研究部会の事業公開にともなう公開授業かと思います。まさに北原先生の授業の集大成が期待できます。

一覧へ戻る


top