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フォーラムレポート

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英語教育東京フォーラム(2011.11.11)

文部科学省  来年度概算要求
グローバル人材育成促進事業に向け大幅概算要求

 文部科学省は来年度の予算編成に向け、「グローバル人材育成促進事業」の充実を目的に、15億1,400万円の要求を盛り込みました。これは「日本再生」を視野に置いた国際感覚とコミュニケーション能力を持った人材を高校生段階から育成するのがねらい。

 これは前年度比28.5倍超の大幅増で、趣旨は高校生の留学を促進する事業を大きく拡充
するとともに、新たに生徒の英語力の検証と指導改善を図る取り組みの推進にあります。

■重点化措置
 政府は来年度予算編成に際して、「日本再生重点化措置」として約7千億円を振り分けることにしています。これを受けて文部科学省は、14項目4,860億円を要求しています。「グローバル人材育成促進事業」の概算要求額もこの重点措置に位置付けられています。この事業の前年度予算額は5,300万円でしたから、新年度はこれを大幅に超して、日本再生に向けた教育施策として重点化を図ることになります。

 内容としては、(1)高校生の留学促進等(要求額9億6,500万円)、(2)英語力等外国語能力強化地域の形成(5億1,800万円)、(3)国際バカロレアの趣旨を踏まえた教育促進(3,200万円)などですが、このうち(2)、(3)が新規となります。

■高校生の留学促進
 留学支援金の対象高校生(後述)の派遣者数を今年度の50人から来年度は2,000人に増やし、今後5年間で約1万人の派遣を目指します。その一方で、日本語専攻外国人高校生の受け入れを今年度の92人から500人にし、今後5年間で約2,500人を目指すとしています。

 高校生の留学は異文化理解のほか、大学段階での留学やその後の国際交流活動の拡大につながるなど、国際的な感覚とコミュニケーション能力を備えた人材の育成への効果が期待されています。

 ところがここ数年間の動きを見ると、3か月以上の高校生の留学者数は、04年度の4,404人から06年度の3,913人、08年度の3,190人へと徐々に減少傾向を示し、最近の若者の内向き志向が懸念されています。

 支援の対象者は、(1)高校生の留学・交流を行なう民間団体や、(2)各学校等が主催する海外派遣プログラムへの参加、(3)個人留学が対象です。留学期間は3か月以上1年以内。一人あたり30万~50万円が経費支援されます。

■外国語能力強化地域の形成
 生徒の英語力の検証と指導改善を図るために、英検など「外部試験の活用で生徒の英語力を検証」「47都道府県で英語力等外国語能力の強化地域の形成」があげられています。

 文部科学省の外国語能力の向上に関する検討会審議のまとめでは、英検などの外部検定試験を活用して、生徒の英語力の達成状況を把握・検証することが求められていました。それらを踏まえ、積極的に外部検定の受検を促すとともに受験料の支援等を実施するものです。対象の生徒数は11万8,000人となっています。

 強化地域の形成では、各地教育委員会独自の外国語教育改善プランの策定のほか、外国人教員の積極的な採用と活用を進めるとしています。拠点校では、生徒の英語力の把握と指導への外部検定試験の活用、ALT等の効果的な活用、イングリッシュ・キャンプやスピーチ大会等の実施、参加などが行なわれます。(参考資料:文部科学省HP,「教育新聞」など)

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