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フォーラムレポート

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英語教育東京フォーラム(2008.03.07)

少人数クラス構成を基本に、きめ細かな指導を行う 狛江一中
  大 釜 茂 璋(NPO法人教育情報プロジェクト代表)

 中国大陸から飛んできた黄砂のために、東京の空もどんより霞んで見える一日でした。春霞などといったしゃれたものではない淀んだ空気が、これが人間の健康にどんな影響を及ぼすものだろうかと考えました。さあっと一雨欲しいと思っていたところへ、昨夜東京には久しぶりの雨が降りました。汚れていた空気が洗い流されたようで、今朝はしっとりした中にもきりっとした風が吹いていました。

 これで春はぐんと近づいた感じです。先日の日曜日、家の近くを散歩していると、いつも通る日当たりのいい階段脇の桜の花目が、随分大きくなっているのに気づきました。毎年ここの桜は、町内のどの桜にも先駆けて花を開くのです。今年も間違いなくトップをきって、ちょっと早目の春を楽しませてくれそうです。

 「教育新聞」3月3日号に東京都狛江市立第一中学校(佐々木修校長、生徒数323人)の英語教育が紹介されていました。

 この学校は高校1・2年レベルである英語力と認定される英検準2級の受験者と合格率の高い指導成果から、平成18年度団体優良校として、財団法人日本英語検定協会から表彰されました。ごく一般的な、特別の存在でもない中学校がこのような実績をあげる要因はどこにあるのでしょうか。

 狛江一中の英語教師は北原延晃教諭を中心に3人。少人数クラス構成を基本に、きめ細かな指導を行うところに特徴があります。

 この3人の教師は、それぞれ自分の教室を持っていて、生徒たちは「基礎コース」 と「発展コース」に分かれたそれぞれの教室へ行って授業を受けています。

 これらのクラス分けは、3クラスある1・3年生は、2クラスを3分割、残りの1クラス を2分割にしてクラスを構成します。2年生は4クラスあるので、2クラスずつをそれ ぞれ3分割にします。

 1・2年生は生徒が好きな教師を選ぶことができます。1年生に入学当初は3週間 ずつ3人の教師の授業を「おためしコース」として受けて、各教師の学習の進め方を 知って、その後のコース選択の参考にします。これはLearning styleとTeaching styleが一致することが望ましいとする、この学校の考えによるものです。

 3年生は一応は習熟度別になっていますが、生徒の希望を尊重して柔軟性を持たせています。ただし使用する教材やテキストは同じで、授業の進め方は3人とも共通です。

 北原延晃先生には昨年4月、e-pros主催の英語指導フォーラムで狛江一中の生徒の3年間にわたる指導とその成果を、映像を使って発表していただきました。入学時から3年間の英語教育をつぶさに解説していただき、参考となるとともに大きな感動を 与えていただきました。

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