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フォーラムレポート

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英語教育東京フォーラム(2011.4.7)

日本の高校生 中韓米に比べあまりに不勉強
(財)日本青少年研究所の調査から
                  大 釜 茂 璋


 (財)日本青少年研究所(千石保所長)は昨年3月、「高校生の勉強に関する調査」を発表しました。中国、韓国、アメリカ、日本との比較ですが、日本の結果はまさに「惨め」と表現がぴったりと「教育新聞」4月4日号は報じています。

 国語・数学・題国語・地理・歴史・化学など、どの科目をとっても「好き」が4カ国で最低になっています。また06年発表の調査では、「勉強や成績」に非常に関心があると答えた日本の高校生2割に過ぎず、中国・韓国の5割前後とは大きく離れています。

 この調査に示された数値から同研究所千石保所長派次のように見ています。日本の高校生はあまりにも不勉強であることがわかります。勉強に取組まない理由は何か。日本はもう先進国となって豊かな生活を送っているのだから、これまでのように頑張って勉強をする必要がないと思っているのだろうか。しかしこの状況に危機感を持ち、学校等に抗議したという話しも聞かない。何となく「ああ、そうか」で終わってしまったのか。

 PISAでは、日本の学力は長い間低下を続けてきた。しかし昨年暮れに発表された調査結果の読解力に関しては、前回の15位から8位になった。(中略)興味が持たれるのは、上位の国や都市には共通点がることだ。上位は上海、香港、シンガポールなどで占められている。

 この傾向はやる気は勉強だけに限らない。95年に同研究所が行った「高校生の金銭感覚調査」によると、最も大切なものとして、お金でなく「家族」「友情」「愛」があげられている。現在はお金の欠乏でやる気を出す時代ではないのだろうか。

 経済成長を遂げた日本では、一時期「おもしろいこと」が、やる気の源泉と考えられた。お金ではない新しい欲求が生まれたとして注目を集めた。面白いことの価値は、究極には「違っていること」「差異」が、やる気の本質と考えられないだろうかと分析する。(中略)

 だが昔と根本的に変わったことがあると指摘する。それは今の若者たちは、「偉くなりたくない」ということだ。偉くなると自分の自由が失われるからが理由だ。そこで千石所長の忠告。「それでよいのか」「立ち止まって考える必要はないか」(「教育新聞」・千石保が読み解くニッポン)この頁の文責・NPO教育情報プロジェクト代表 大釜 茂璋)

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