英語教育東京フォーラム(2011.4.23)
会話は英語のルール 文法を知ること
プレジデント ファミリー 6月号
朝、新聞を開くと、「『わが子が危ない』中学生の8割は文法を理解できない」、というセンセーショナルな広告コピーが目についた。雑誌「プレジデントファミリー」の宣伝である。
中学校では来年4月から新学習指導要領が完全実施となり、4技能のバランスを総合的に維持したコミュニケーション能力の育成へと改訂される。文法や読解を主にしたこれまでの英語教育が、先の改訂でオーラル・コミュニケーション中心に振れすぎたために、その指導内容を修正することになったからである。
ところがかつての文法中心の英語を学んできた親たちから見ると、新しい、コミュニケーション能力重視の授業は何とも心もとない。不信感すら覚えるという。
授業の内容が「読む・書く」から「聞く・話す」を中心に変わったとなれば、生徒は大いに授業を楽しみ臨んでいそうではあるが、ベネッセ教育研究センターの調査では、61.8%の生徒が「英語は苦手」と答え、「得意」と答えた37.5%を大きく上回っている。
また同センターの「第4回 学習基本調査報告書中学生版」では、10年前の調査と比較しても、英語好きな生徒は減少し、嫌いな生徒が増加しているという。これらの調査から現状では、英語が苦手な中学生が多くまた英語嫌いが増えていると警鐘を鳴らしている。
従って今の授業では、コミュニケーション力も文法の力も身についていないという。ここで特集は、田尻先生のコメントを紹介している。
「コミュニケーションを重視するのは非常に大切だが、コミュニケーションを先生方がただ『会話すること』と勘違いしてしまったことが問題である」と。
「勘違いの結果、それまで文法を重視していた従来の英語教育を全否定してしまった。でも、実は文法の上に会話は成り立っているので、英文構造を知らないと話すことはできないのです」
一般的な日本人が会話の練習をするには、まず英語のルールである文法を知らなければならないということ。
ベネッセの学習基本調査によると、英語の苦手意識を中学生の約60%が「苦手」と感じている。「好き」(「とても好き」「まあ好き」の合計)と答えた人は1996年は43.3%だが、2006年では39.4%と減少している。
一方、「嫌い」(「とても嫌い」「まあ嫌い」の合計)では、25.7%が30.5%と増加している。英語離れが進んでいるのかと心配されている。
また英語学習でつまづいているポイントは、同センターの調査では次の点にある。
文法が難しい 78.6%
テストで思うような点が取れない 72.7%
英語の文を書くのが難しい 72.0%
英語を聞き取るのが難しい 65.8%
単語を覚えるのが難しい 62.9%
英語を話すのが難しい 59.6%
4月期e-prosフォーラムでは、ここのあげられた各項目に触れられた指導法が、それぞれの講師から発表されます。コミュニケーション能力育成の授業では文法が疎かになるという指摘も、授業の工夫で回避できるし、単語のマスターも授業にどんな工夫を加えることで楽しく学ぶことができるかを感じ取って頂きたいと思います。
4技能を使った発信型英語の指導法も魅力的。「文法の上に会話は成り立つ」「コミュニケーション能力を育成のために会話の練習には、英語のルールである文法を知る必要がある」などはまさに金言として知っていることである。
(大釜 茂璋 おおかま しげあき NPO法人教育情報プロジェクト代表)
プレジデント ファミリー 6月号
朝、新聞を開くと、「『わが子が危ない』中学生の8割は文法を理解できない」、というセンセーショナルな広告コピーが目についた。雑誌「プレジデントファミリー」の宣伝である。
中学校では来年4月から新学習指導要領が完全実施となり、4技能のバランスを総合的に維持したコミュニケーション能力の育成へと改訂される。文法や読解を主にしたこれまでの英語教育が、先の改訂でオーラル・コミュニケーション中心に振れすぎたために、その指導内容を修正することになったからである。
ところがかつての文法中心の英語を学んできた親たちから見ると、新しい、コミュニケーション能力重視の授業は何とも心もとない。不信感すら覚えるという。
授業の内容が「読む・書く」から「聞く・話す」を中心に変わったとなれば、生徒は大いに授業を楽しみ臨んでいそうではあるが、ベネッセ教育研究センターの調査では、61.8%の生徒が「英語は苦手」と答え、「得意」と答えた37.5%を大きく上回っている。
また同センターの「第4回 学習基本調査報告書中学生版」では、10年前の調査と比較しても、英語好きな生徒は減少し、嫌いな生徒が増加しているという。これらの調査から現状では、英語が苦手な中学生が多くまた英語嫌いが増えていると警鐘を鳴らしている。
従って今の授業では、コミュニケーション力も文法の力も身についていないという。ここで特集は、田尻先生のコメントを紹介している。
「コミュニケーションを重視するのは非常に大切だが、コミュニケーションを先生方がただ『会話すること』と勘違いしてしまったことが問題である」と。
「勘違いの結果、それまで文法を重視していた従来の英語教育を全否定してしまった。でも、実は文法の上に会話は成り立っているので、英文構造を知らないと話すことはできないのです」
一般的な日本人が会話の練習をするには、まず英語のルールである文法を知らなければならないということ。
ベネッセの学習基本調査によると、英語の苦手意識を中学生の約60%が「苦手」と感じている。「好き」(「とても好き」「まあ好き」の合計)と答えた人は1996年は43.3%だが、2006年では39.4%と減少している。
一方、「嫌い」(「とても嫌い」「まあ嫌い」の合計)では、25.7%が30.5%と増加している。英語離れが進んでいるのかと心配されている。
また英語学習でつまづいているポイントは、同センターの調査では次の点にある。
文法が難しい 78.6%
テストで思うような点が取れない 72.7%
英語の文を書くのが難しい 72.0%
英語を聞き取るのが難しい 65.8%
単語を覚えるのが難しい 62.9%
英語を話すのが難しい 59.6%
4月期e-prosフォーラムでは、ここのあげられた各項目に触れられた指導法が、それぞれの講師から発表されます。コミュニケーション能力育成の授業では文法が疎かになるという指摘も、授業の工夫で回避できるし、単語のマスターも授業にどんな工夫を加えることで楽しく学ぶことができるかを感じ取って頂きたいと思います。
4技能を使った発信型英語の指導法も魅力的。「文法の上に会話は成り立つ」「コミュニケーション能力を育成のために会話の練習には、英語のルールである文法を知る必要がある」などはまさに金言として知っていることである。
(大釜 茂璋 おおかま しげあき NPO法人教育情報プロジェクト代表)