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フォーラムレポート

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何が英語を苦手(嫌い)にさせているか? (0518)

<通算第98回英語指導法研修会>

何が英語を苦手(嫌い)にさせているか?(0518)
              ☆
日時:平成26年5月18日(日) 午前10時~午後4時
会場:岩倉高等学校東館3階 視聴覚室
              ☆
(1)【Philosophy】「勉強しよう!」と言う気にさせる前提条件
          ⇒ 学習者のモチベーションをどう高めるか
細  喜朗先生(千葉県立松戸国際高等学校教諭)

(2)【Plan】「勉強しよう!」と言う気にさせる指導計画
          ⇒ 教科書でどう教えるのか
赤塚 祐哉先生(東京都立国際高校教諭)

(3)【Activity】「勉強しよう!」と言う気にさせる活動内容
          ⇒ 授業内の学習活動をどう行うのか
川村 光一先生(埼玉県春日部市立豊野中学校教頭・橋架村塾主宰)
              ☆
5月期e-prosフォーラムはこれまで開催してきた講座とは少し趣を変えて、「何が英語を苦手(嫌い)にさせているか?」をテーマに開催しました。平素このような 研修会は開催されることが少なく、参加した先生方にとっては大きな刺激と示唆が得られたと好評でした。

 ご承知のようにこれからの社会はグローバル化の進展により、特に世界語たる英語力の増強は益々大事なものになります。しかし先にマスコミで話題になったア ンケートに見られたように、中学一年生の2学期には、「英語が苦手(嫌い)」とする生徒が全体の60%を越しているなどとかなりショッキングなものでした。

 これはクラスの半分以上の生徒たちがうわの空で、英語の時間を無為に過ごしていることが想像される数字で、英語がコミュニケーションのツールとなる時代が やって来るというときに、英語指導者の総意を結集して対策を講じていく必要があります。それらの努力を通して、この60%をほんの一桁パーセントでも「英語に関 心を持たせ、英語好きにさせる」ことは、わが国策としても極めて需要なことだと思います。文科省並びに英語教育行政に携わる方々は、この事実を正視し、すべか らく対策を講じる必要があります。

 しかし「英語教育改革実施計画といった威勢のいい話は出てきますが、英語嫌いを英語好きにさせる具体的な対策や方法などは、さっぱり聞くことがありません。そ
れを今回、民間組織の私たちが果敢にチャレンジしたということは素晴らしいことでした。

 参加してくださった人は、平素の英語指導法のフォーラムには、あまり参加したことのない新しい方々が多かったのですが、日頃、英語に関心や興味を示さない生徒を相手に孤軍奮闘をして英語指導に取り組んでいる、真面目でやる気のある先方だと思いました。朝10時から夕方の4時過ぎまで、熱心に研修する姿は、対象とする
生徒の出来の良い悪いは別にしても、教師として感動的でした。

 この日一日のフォーラムに参加して、教育現場で奮闘する先生方のほんの一部を垣間見たり、悩みを知ることが出来ました。しかし「英語が苦手」「英語が嫌い」といった状況が、ある日突然「嫌いな英語が好き」になったり、突然「好成績をとる」ようになることはあり得ないわけです。

 結局「嫌いから好き」へ、「悪い点数から良い点数」へといった、エスカレーター やエレベーターのような道程はないわけで、目に見えないような緩慢な動きであっても、確実に良い方向へ動ける方策を期待して参加してくるのだと思います。この問題解決に頓服はありません。(大釜茂璋)

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