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フォーラムレポート

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変化の時代に求められる英語力とそれに対応する授業力(0805)

10月期 第130回フォーラムレポート

この秋は格別に雨の日が多くテレビの報道によれば、10月一か月のうち20数日間が雨だったとのこと。これが梅雨時だったら「まったく身体にカビが生えちゃうよ」と冗談が飛び出るところですが、さすがに大切な収穫の秋ともなれば、話題にするだけでも深刻です。

 稔った米が収穫前長時間水に浸ると芽が出てきたり、林檎農家は台風による強い風に林檎が落下して商品にならないという悲劇も伝わって来ます。自然現象ですから、人間が思うようにはなかなかいかないことでしょうが、人間の力や智慧で少しでも救えるものならば、行政でも政治家でも、早速行動に移して戴きたいと思います。豪雨や台風に被災した方々に衷心よりお見舞い申し上げます。

10月29日(日),e-pros主催の英語指導法研修会が、恒例の、JR上野駅入谷口改札の直ぐ前に建つ岩倉高等学校視聴覚室で開催されました。前日から降り続いている雨が台風22号の接近も伴ない、文字通り豪雨襲来が心配されました。E-prosでは会場近くのコインロッカーに前日から荷物を運び、準備万端整えて、聴講する先生方をお待ちしました。こういった担当者たちの熱意が通じたかのように29日の朝はそれほど強い雨でもなく、参加する先生たち大助かりでした。

 ちょうどこの時期は中間テストの時期に当り、参加を予定した人の中にはテストの採点と重なったということで、参加出来ないと急遽欠席の連絡をされた先生もいましたが、雨にも、大嵐の前兆にも負けずに参加した先生たちはきわめて熱心に聴講していました。

 今回e-pros英語指導法研修会は130回目という節目を迎えました。国際化の波が大きく揺れ動く中で、英語は世界語として君臨するに至りましたが、それにともない学校での英語の扱いも大きく、かつ激しく変わって来ました。当然英語を学ぶ目標も変わってきました。授業の形式や、授業に対する期待も変わりました。e-prosはそのような変化を捉えるとともにその動きに合わせながら研修のテーマを決めて研修の効果をあげようと努めています。

 今回のテーマは「変化の時代に求められる英語力と、それに対応する授業力」として、東京・武蔵野市の成蹊学園中学校・高等学校教諭で、一般公益法人語学教育研究所(語研)理事の四方雅之先生が、「英語の授業は英語で ― 授業を活性化し大きな成果を上げるコツ」でご指導頂きました。もうお一人の先生は、東京学芸大学名誉教授金谷憲先生で「学校教育では基礎力定着を目指そう」を講座タイトルにしてご指導頂きました。

 四方先生の授業は、さすがに語研で長いこと英語指導法を研究された先生だけに、展開そのものがアクティブ・ラーニングになっています。授業の構成が常に思考・判断・表現のパターンを踏んでいます。次期学習指導要領の骨子を、四方先生の授業では早くから導入されていたと言っても過言ではありません。それを具体的に講座を通して体現出来たことで聴講した先生方には、まさに一石二鳥の研修会だったようです。

 一方金谷先生のテーマは、変革を通して揺れ動く現在の学校教育は基礎力の定着こそが目的であると、これまで金谷先生が行ってきた多くの調査による結果をデータベースに、しっかりとした基礎力のマスターこそ大事であると、具体例を紹介しながらご指導くださいました。お二方ともお名前の知られた先生方で、雨を衝いて参加した方々にとっても満足の多い研修会でした。

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